『ダンデライオン』の不思議な歌詞の意味はコミュ障に苦しむ少女の再生の物語

『ダンデライオン』(1983,原田知世)の歌詞の意味は、平易な言葉の割には案外と難解です。

私は「ダンデライオン」とは、この歌がリリースされた時には、ダンディな心優しきライオン君だと思っていましたw

ダンデライオンとは、「タンポポ」を意味する英語”Dandelion”の日本語読み(?)です。

タンポポなぞという余りにありふれた言葉に拍子抜けしたのも束の間…。

妄想が終わった時、涙が止まらなくなりました。

歌の概要

自分の生い立ちを知った事が原因でコミュ障になった少女咲希(17歳)が、故郷の仙台を出て東京の下町で一人暮らしをする中で同じ境遇の青年と出会い、彼への思慕を通して、一人の女性として自立しようとする心境の変化を優しく励ます歌。

10秒でワカる歌詞の意味

夕暮れの中、たんぽぽの種が風に舞う土手で、彼と話したら、今まで抱えていた淋しい感情から抜け出せて、一人の女性として生まれ変われるような気がしたんです…。

これからは、周囲に対して少しずつ心を開いていく練習をしてみようと思います。時間はかかるかも知れませんが、自分の中に小さな花を咲かせたいのです。

お別れの時間が来て、だんだん小さくなる彼の後ろ姿を見送りながら、彼なしでこれから生きていけない気持ちになりました…。

歌が生まれた瞬間を妄想してみる

自分の生い立ちを知って以来、周囲から孤立してひとりぼっちになってしまった少女の前に現れた青年が、自分と同じ境遇である事を知り、まるで運命が彼との出会いを用意していてくれたような気持ちになり心が震えた瞬間、『ダンデライオン』は生まれた。

歌詞の意味を深く知る妄想ストーリ

歌詞少女
この歌の主人公は、東京・下町で一人暮らしをしながら通信制高校に通う18歳の咲希です。

第1章💫彼の秘密を先に知りました

歌詞少女
今回の物語は、主人公の少女と彼との初デートのシーンからスタートよ。

東京・下町を流れる荒川土手の夕暮れは、オレンジ一色の世界だ。

GWも終わった週末の土曜日。

咲希(サキ)は、同級生の「お兄さん」と肩を並べて話をしていた。

なぜか、咲希は2歳年上の彼のことを「お兄さん」と呼んでいた。

ーオレ、実は養子だったんだよ…。

ーえっ?!

咲希はドキンとして、その瞬間かっと血が頭に上ったのが自分でも分かった。

夕暮れ時でなかったら、顔色が変わったのがカレに気づかれたかしれない。

ー両親にどうしても子供が出来なくて、養子縁組をして貰われたんだ…。

彼はポツポツと、呟くように自分の生い立ちを知っている限りと前置きしながら、話し始めました。

私は懸命に頷きながら、彼の話を聞いていると同時に、自分の事も考えているのに気がつきました。

私とおんなじ境遇だったんだ…

私の一番深いところでそんな声がしました。

第2章💫私は本当の両親を知らない

歌詞少女
彼の話に共感しながら、今までの自分のことを回想するシーンよ。主人公の過去が明らかになるのね!

―こんな事、誰にも言えないのってツラいよね…。

お兄さんは、ぼんやりと川面に視線をさまよせながら、ポツリと呟きました。

私は思わず泣き出しそうになりました。

ー激しく同意!(笑)

やっと冗談めかして答えるのが精一杯…。

涙があふれ出そうで本当に困りました。

運命のいたづら

自分が養女である事を知ったのは、高校2年の夏に親とおじいちゃんの墓参りに行った時、お寺の住職さんとお母さんが立ち話をしていたのを、偶然耳にしたのです。

養女の咲希ちゃんとは上手くいっとるの?)

(はい、つつがなくしとります…住職さん、その事は絶対に内緒に…)

(わかとる、わかとる。だけんど、もう15年も経つんだべぇ…)

(あの子が2歳の時ですけん……)

私はそれを聞いた瞬間、すべてを了解しました。

小さい頃の私の写真がなぜ一枚も残っていないのかも…。

傷だらけの2年間

それからの私は、ほとんど生きている感じがしませんでした。

  • なぜ本当の両親は、私を養子に出したのか?そして、今どこにいるのか?
  • なぜ今のお父さんとお母さんは、その事を隠しているのだろう?私の事をどう思っているのだろう?
  • 私はどこから来て、どこへ行こうとしているのか?

今まで経験したことのない複雑な感情が、一日中私を苦しめました。

学校では、いつしか「淋しん坊」と陰口を言われるようになってしまいました。

…今まで仲の良かった友達とも話さなくなったんです。

3年生になる前に、私は学校に行かなくなりました。

東京で一人暮らし

それから色々あったのですが、母方の親戚がいる東京で一人暮らしをしてみたらどうかと言ってくれた父親の言葉に従い、親元を離れる事になりました。

なぜか両親と離れて暮らすことに、寂しい感じはしませんでした。育ての親だという醒めた気持ちを持っていたのかも知れません。

ちょうどこの5月で丸一年になります。区の青少年支援センターみたいなところで、半分一人暮らしの半分共同生活みたいに暮らしています。

毎月一回は上野にある通信制高校のホームルームに参加します。

お兄さんとは、2歳年上だけど同級生なんです。

第3章💫コミュ障の少女の魂が再生した!

歌詞少女
彼のたどたどしい優しさに、生まれて初めて自分が生きているような感覚を経験して、主人公の魂が息を吹き返すシーンよ。

―ほらできた…。

そう言って、お兄さんは黄色の花の環を差し出しました。

ータンポポの王冠!

何本ものタンポポの茎をたがい違いに挟み込んで編んだ可愛い冠でした

タンポポの黄色と夕暮れのオレンジ色が混ざり合って、キラキラと輝いていました。

ーほら!

彼は私の頭に上に載せて、笑いました。

ープリンセス咲希!

ーえっ…なら、お兄さんがプリンス?

冗談を返している自分に、気づいてはっとしました。

あぁ…生きている。ワタシ。

そう思った瞬間、ふと彼と目が合いました。

胸にかすかな電流が走ったような気がしました…。

ーあっ、行かんと遅刻するわ。

彼が腕時計を見て、我に返ったように立ち上がりました。

夕方からラーメン屋さんでアルバイトしていると聞いていました。

ーじゃぁ、行くから。

ーうん…。

ーほんじゃぁ、またな。

黒いスポーツバックをぐいっと背負った時、肩越しに優しい笑顔が覗きました。

私も立ち上がった時、頭からタンポポの冠がすべり落ちました。

ーあっ…。

あわてて拾い上げて、彼の方を見た時には、すでに大きな背中は夕焼けの中で揺れていました。

最終章💫遅れてきた少女はレディに変わる

歌詞少女
夕陽の中に彼を見送りながら、新たな人生のはじまりを確信するシーンよ。

クセのある歩き方が忘れられない
お兄さんは、左足が少し悪いので、右に身体を傾けながら歩くのです。

荒川土手のまっすぐに伸びた砂利道を、クセのある歩き方でゆっくり進んでいきます。

彼ともっといたい…。

夕暮れと共に、彼のいない寂しさが静かに忍び寄って来ます。

彼が編んでくれたタンポポの冠を両手で温めるように握りしめて、私はずっと見送っていました。

見えなくなると、寂しさに耐えられないような気がして…。

18歳のビフォーアフター

それでも、私は気づいていましたー。

お兄さんと今日会った事で、私の中でもう一人の私が生き返った事を。

  • なぜ同じ境遇の人が私の前に現れたんだろう?
  • 神様が私のために授けてくれた道しるべ?
  • 彼との出会いは、新しい自分になるための人生のレッスン?

…そう思うと、何だか少し勇気が湧いて来ました。

その時、突然一陣の風が川面を凪ぐように吹き渡りました。

タンポポの種になろう

さっとタンポポのタネが舞い上がって、夕焼けの彼方に飛んで行きます。

咲希は、オレンジに染め上がった夕焼け空を見上げて、キラキラ光る綿毛を見上げました。

左にフラフラしている種もある…。

右にゆらゆらしている種もある…。

てんでバラバラに空の彼方を目指して、ぐんぐん登って行っているようでした。

咲希は、自分はタンポポの種になればいいかも知れないと思いました。

今はまだ咲けないけど、タンポポの種のようにやがて来る春を目指して自分の足で歩いてみよう。

彼と一緒に…。

春になって咲いた時、彼に私のすべてを見て欲しい…。

(うまく咲けるかな…)

咲希は、足元のタンポポを一輪そっと摘んで、目の前に差し出してみました。

お兄さん、私を受け止めて…。

ーレディになってみせるから。

(終)

この歌がおすすめな人

  • トラウマを乗り越えて前に進みたい人
  • 自分を少しずつでも変えたい人
  • 繊細なリリシズムを大切にしたい人

メッセージ

大きな目標や夢よりも、人に気づかれないほどの小さな一歩を大切にして下さい。

その一歩を踏み出した時、タンポポの冠でちょっぴり自分を飾ってみて下さい。

あなたも、この歌のようにダンデライオンなれるはずです。

(Haku)