『元気を出して』(1984,薬師丸ひろ子)の歌詞の意味はシンプルですが、深い含蓄に富んでいます。
折れた心から立ち直るための鉄板の三段論法が巧みに歌詞に編み込まれていますからね。
これです☟
- 励まされて、ホロリとする…。
- 腑に落ちて、前を向ける。
- 新しい景色が見えてくる!
心折れている時には、自分を見守ってくれる誰かに、こんな風に導いて欲しいんです。
目次
ライナーノーツ
Artist | 薬師丸ひろ子 |
Lyric | 竹内まりや |
Composer | 竹内まりや |
Original Release Year | 1984年(昭和59年) |
Album |
1stアルバム『古今集』(1984) |
Notes |
『古今集』には、他には「探偵物語」「セーラー服と機関銃」が収録されている。 |
歌の概要
芯はめっぽう強い美佐子(24歳)が「人生最悪の失恋」に直面して、育ての親である亡き祖母から人生の先輩としてのメッセージを受け取る導きの歌。
『元気を出して』の歌詞の意味
[voice icon=”https://utazine.com/wp-content/uploads/2019/03/utazine_kasigirl-center.jpg” name=”歌詞少女” type=”l line icon_green”]人生の大先輩からのステキなメッセージを紹介するわ[/voice]
すぐこの間までは、こんな可愛い女の子やったのにねぇ…。
しっかり者の孫娘が私の前に来て涙をこぼしている理由は、彼からの突然の別れ話やて…。
プロポーズを期待してたんやそうや。
私に言わせれば、そんなん全然ノープロブレムや。
離婚歴2回にして人生悔いなしの私から、輝く女性になるための5つの方法を教えてあげるから、元気出しぃな…。
ーほな言うで。
- 幸せになろうと心の底から思うこと
- チャンスや方法は無数にある
- 人生は何度でもやり直せる
- 失敗を重ねて人生の達人になれる
- ファッションを変えれば人生も変わる
ええか、私が生きている時に人生から学んだステキな生き方は、この5つ。
あんたに合う男性は星の数ほどいるゆうことを忘れんといてな。
―ほんまやで、あなたが気がつかないだけ。
さぁ、元気を出して、またあの笑顔を見せてちょうだい!
グッドラック、美佐子!
歌が生まれた瞬間を妄想してみた
自他共に認めるしっかり者のコンサバ系お嬢様が、プロポーズをひそかに期待していた彼から突然の別れ話を持ち出されて、悩んだ末、育ての親の亡きバアヤ(祖母)の遺影に向かって相談したところ、突然胸の中に祖母の声がして優しく語り始めた瞬間、『元気を出して』は生まれた。
『元気を出して』の歌詞の意味を深く知るふしぎな物語
今回の舞台は、関西のおしゃれタウン・神戸元町です。
昭和59年ーなんだかんだ言っても、皆つつがなく暮らしていた良き昭和の小さな恋のお話。
[voice icon=”https://utazine.com/wp-content/uploads/2019/03/utazine_kasigirl-right.jpg” name=”歌詞少女” type=”l line icon_green”]この歌の主人公は、生まれも育ちも元町の生粋の神戸っ子・美佐子(24歳)。関西ハイソ系女子ね![/voice]
第1章☄奇跡?!バアやの声が聞こえた!
[voice icon=”https://utazine.com/wp-content/uploads/2019/03/utazine_kasigirl-right.jpg” name=”歌詞少女” type=”l line icon_green”]大失恋の主人公が思い余ってバアヤに相談するシーンよ[/voice]
バアや、あのね…。
そう言いかけて、ぐっと喉をつまらせた。
思わず、熱いものがぎゅっと握った白いこぶしの上に落ちた。
美佐子24歳にして、人生最大の失恋なのです。
泣かない美佐子が泣いた
ーバアや、あのね。ワタシ、フラレちゃったみたい…。
そう言うのが、精一杯だった。
後は大粒の涙がこぼれるばかり…。
仏壇に飾られたバアやの優しい笑顔を見ることもできない。
この一ヶ月の間の孝太郎とのやり取りが、一斉に胸の中で渦巻き出した。
バアやの声が聞こえた?!
…その時、突然聞き覚えのある声がした。
美佐子、バアやよ…。
…?!…バアや?
…バアやなの?!
お嬢様は両親がいない
小学校6年生の時に、交通事故で両親を亡くして以来、御影に住む母方の祖母(通称バアや)に大切に育てられた美佐子。
21歳の時に、その祖母も他界…。
週末には必ずバアやの位牌の前で一週間の報告をする日々を送っていたのでした。
ところが、プロポーズを期待していた本命の彼から突然の別れ話を先月に切り出された。
数週間悩みに悩んだ末に、バアやに打ち明けようと、遺影の前に膝を揃えたワケです。
第2章☄人生の大先輩の慰め方はパーフェクトだった
[voice icon=”https://utazine.com/wp-content/uploads/2019/03/utazine_kasigirl-left.jpg” name=”歌詞少女” type=”r line icon_green”]落ち込んだたらこんなにふうに慰められてみたい![/voice]
はじめ優しく、なか強く
ー美佐子…。
涙なんか見せたことのないあなたが、
そんな大粒の涙こぼして…。
ーバアや…!ワタシね…。
そう言いかけたのを、バアやは優しく制した。
ーええよ。わかってるよ…。そやけど、
ホンマにいったいどこぞの誰どす。
美佐子をこないに悲しませた輩は!
アメとムチを使い分ける
ピシリと言って、バアやは小さくため息をついた。
そして、気を取り直したように、
ーあんたは、もう十分がんばったよ。
ほんま苦しかったでしょう……。
バアやのそんな言葉に、またポロポロ…。
人生の大先輩からスゴいオファー
ーさぁさ、泣いてばかりおってもあかんよ。
それより、あんたにええことを教えて上げるさかい。
バアやの取っておきの女子が幸せになるための5つのルールよ。
ーえっ…?!
ーええな、よう聞いてや。
ーうん…!
ー少しお部屋を暗くしてー。
それから、ローソクに火を点けておくれ。
バアやは、静かに話し始めました。
第3章☄人生の大先輩からの魂のメッセージは詩のように
3年前この世を去る時、あなたに伝えておきたかった言葉があるんや。
よう聞いておいてな。
心の底から、自分は幸せに
なると思うことが一番大事やで。
自分で幸せから
遠ざからないことや。
*
どんなに辛く悲しい事でも、
人の心は変わることで、
受け止められるようになるんよ
*
人の心は必ず変わる。
だから悲しい時はね、
自分が変わる手助けを
少ししてやってや。
*
悲しみも喜びも
今のあなたの世界から見た
影絵のようなものや。
*
光と場所を変えてあげれば
悲しみも違って見えてくる。
人生の意味は無数にあることを
忘れんといて。
*
今のあなたの人生は
無限の可能性の一つ。
何度でもやり直せるんよ。
*
どんな悲しみも
いつか小さな思い出に変わる。
だから、人生の達人になりなさい。
*
そうすれば向こうから
幸せがやってくるから。
最後の最後に、魔法を一つだけ教えるわ。
ふだん着るお洋服を変えてみて。
自分があっさり変わるから。
あなたはスタイルがいいもの!
きっと私より幸せになると
思うわー。
バアやは、にっこり美佐子に
ウインクして見せた。
ーさぁ元気を出して、いつもの笑顔を早く見せて。
最終章☄涙の後には最高の笑顔がある
[voice icon=”https://utazine.com/wp-content/uploads/2019/03/utazine_kasigirl-center.jpg” name=”歌詞少女” type=”l line icon_green”]主人公が泣きながら笑顔を取り戻すシーンよ。[/voice]
はっとして、美佐子は仏壇の遺影を見上げた。
見慣れたバアやの面影が、少し笑っているよう見えたのは、気のせいだろうか。
バアヤ…。ありがとう…!
美佐子は、遺影に向かって笑顔を作ろうしたけれど…。
大粒の涙がポロポロこぼれて止まらなかった…。
バアヤ…バアや…ありがとう…!
精一杯の笑顔を作っているつもりなのに。
ポロポロが止まらないのである。
お嬢様の大失恋劇は、どうやらエンディングの光が差し始めたようだ。
(終)
この歌がおすすめな人
- 恋愛関係に疲れて早くリセットしたい
- 新しい人生に一歩踏み出したい
- 自分を遠くで誰かに見守って欲しい
メッセージ
人生の意味は無数にあるーなんてステキな言葉でしょう!
一つがダメでも、またもう一つを探しに旅に出る。それが人が生きるということなんですね。
それでは、『元気を出して』を聴きながら、人生進んで参りましょう!
(Haku)
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