『いつかのメリークリスマス』の歌詞の意味は家庭を作れなかったアラサー男の悔恨と哀傷の歌

『いつかのメリークリスマス』(1992,B’z)の歌詞には、3つの解き難い謎が潜んでいます。

一度聴いたら忘れられない90年代稀代の名曲を、今回100回以上聴き直して、ついにすべての謎が解けました。

その瞬間、私は涙が止まらなくなった…。

一人では受け止め切れない深い鎮魂の意味を、ぜひ90年代Jポップを愛して止まないあなたと共有しておきたいです。

おっと、ハンカチの用意を忘れないでくださいね。

30秒でわかる歌詞の意味

クリスマスの夕方5時過ぎ。煌びやかなイルミネーションに照らされた新宿の街角を歩いていた時だった。

俺は見覚えのあるデパートの大きなショーウィンドウの前で足を止めた。

その瞬間、10年近く前に付き合っていた彼女へのクリスマスのプレゼントに、そのデパートで椅子を買った古い記憶が蘇ってきた。

当時目指していた将来の目標や、なんどもやり直しながら交際していた彼女のことが思い出されて、胸が一杯になった。

あの当時、苦労して買った椅子は、もう捨てて残っていないけど、キッチンでクリスマスの夕食の用意をしていた彼女に渡したときにの笑顔が忘れられない。

ーなぜ自分は彼女と別れてしまったのだろう。なぜ一緒に夢に向かって進めなかったんだろう・・・・。

今になって、自分の不器用さや未熟さが胸に刺さってきて、しばらく立ち止まってしまった。。

俯きかけた自分のそばを、両手に大きな荷物を持ったカップルが通り過ぎた時、ショーウィンドウの前のストリート牧師が歌うように声をかけてきた。

何人も挫けること勿れ。

犯した過ちも、時の重さによって十分に償われた。

そなたは門を叩き、人生を学んだのだ。

あの時の光は、再び前にある。

面を上げ、清らかな心で進めー。

ーその言葉に、なんだか気持ちがぐっと軽くなって、俺はまた歩き出した・・・。

歌の概要

8年前に自分の夢を追い求めながら、彼女と幸せな家庭を作ろうとして、ついに挫折したアラサー男・ワタル(34歳)が、クリスマスの夜ひょんなことから当時の記憶を呼び覚まされて、悔恨と哀傷の感情に押し潰さそうになるが、イルミネーションに彩られた都会の雑踏が優しく彼を包み込んでいくという歌。

解釈の3つのポイント

『いつかのメリークリスマス』にチャネルする時に、どうしても避けて通れない解釈上の3つの謎がありました。

  • なぜ「いつか」なのか?
  • なぜ椅子を贈ったのか?
  • 主人公はなぜ急に泣いたのか?

それぞれ順番にお話しましょう。

❶なぜ「いつか」なのか?

「いつか」には、実は3つの意味が込められていると解釈しています。

  • いつか分からない過去の話
  • いつか分からない多忙な頃の話
  • 将来の幸せなクリスマスへの希望

「いつか分からない」過去の話

「いつかの」という言葉を素直に受け取ると、いつだったか今となってははっきりと思い出せないという意味になると思います。

とりわけ、毎年恒例のように繰り返しているお正月やクリスマスといった年中行事は、年齢を重ねるごとに、毎回はっきりといつだったか覚えていなくなるものです。

いつだったか思い出せない・・・汗

私は感覚的に7~8回以上になると、お正月ややクリスマスをどんな風に過ごしていたかをはっきりと記憶していません。

”いつかの(メリー)クリスマス”という言い方は、5,6年前というより、もっと前の過去を指している感じがします。

「いつか分からない」多忙な頃の話

あなたは、社会人になって2~3年目の頃を、はっきりと覚えていますか?

生活や環境が激変して、一度に色んなことが回りに起こって、懸命に毎日を過ごしていたのではないでしょうか。

すっげー忙しい毎日で覚えない!

特に、24~26歳の頃って、公私ともに色々ありますよね。毎日が矢のように過ぎていったはずです。

「いつか」というのは、人生の立ち上がり期(すなわち20代半ば)をざっくりと指している意味だと思いました。

将来の幸せなクリスマスへの希望

いつか将来は自分も幸せなクリスマスの夜を迎えたいという、そこはかとない淡い希望が込められているという解釈です。

特に「メリー」(楽しい)を冠しているところに、それを強く感じます(まぁ、語呂や語感を考慮したのかも知れませんが)。

こんな俺だって、幸せになりたーーーい!

過去の自分は幸せを作ることに失敗したが、それでもいつかは、幸せで楽しいクリスマスを迎えたいという願いが(裏の意味として)表現されているというわけです。

❷主人公が椅子を贈った理由

Jポップ史上、歌の主人公が恋人にプレゼントとして椅子を贈るのは、おそらくこの歌だけだと思いますが、そもそもなぜ彼女は椅子を欲しがっていたのでしょうか。

俺、テーブルセットなんか持ってないよ

90年代に限らず、独身男性の(おそらくは)マンションかアパートに、テーブルセット(テーブル1+チェアー2)はほぼ置いてないはずです。

独身なのにテーブルセットってナニよ?!

ですよね~!

つまり、夢を追いかけるのに忙しい主人公の部屋にある家具らしきものは、推定こんなものです↓

  • シングルベッド→さすが、つんく♂さん!
  • ローテーブル1台→寝たばこと缶ビール用
  • テーブル(小)→コンビニ弁当を食べる
  • 椅子1脚→自分が座る用だけがある
  • 衣装ボックス→GパンとTシャツや下着

こんなシンプルな部屋に、週末もしくは週2,3日、彼女が来てくれていたワケです・・・ハイ。

彼女は二人で向き合って食事をしたかった

夜、彼の膝の上に座ってイチャイチャするか、昼間はローテーブルの横で足を崩して横座りをしながら、一緒に軽食をつつく―。

楽しいです(彼)
キビシイです・・・(彼女)

半同棲あるいは週末婚も1年近くなると、そろそろ色んなところで限界が来ますが、とりわけ、食事のスタイルは深刻ですよね。

(ワタシがテーブルに座る椅子がない・・・)

テーブルで彼と向かい合って食事した~~いぃぃぃぃ!

彼女のそんな心の叫びが彼に伝わり、食卓テーブル用の椅子は二人の「喫緊(きっきん)の課題」(=早めに解決すべき大切な課題)であったワケです。

椅子は幸せな家庭の象徴

テーブルでふたりで椅子に座って向き合って食事をするというのは、深い意味を持ちます。

ローテーブルでベッドの横で食事するのではなく、ちゃんとテーブルで向き合って食事をするーこれは立派な二人家族のスタイルです。

彼と幸せな家庭を作りたい・・・

中途半端な交際(同棲)のスタイルから一歩前進して、家庭を作っていきたいという彼女の潜在的な気持ちの表れと言えます。

椅子はふたりの未来を担っていたんですね。

そして、そのことを彼は十分に理解していました。

だからこそクリスマスの夜に色々と事情を押して、新宿の小田急ハルクまでやってきて、なんとかあの椅子を手に入れたのです。

なのに、泣く必要なんかないですよね?

❸主人公はなぜ突然泣いたのか

この歌の歌詞の中で一番解釈が難しい部分が、主人公が自分でも理由も分からず急に泣いたシーンです。

部屋の電気を消して、クリスマスケーキのローソクを灯し、買って来たばかりの真新しい椅子に座った彼女と向き合って、こう言った直後でした。

離れることはない

本来であれば、希望に満ちた前向きな言葉でも飛び出すようなタイミングにも関わらずです。

衝撃の真実に泣きました

主人公が泣いた理由(らしきもの)は、残念ながら、歌詞の中には見当たりません。

今回、私はこの歌にチャネルすることで、主人公の隠された真実と苦悩が知り、思わず泣いてしまいました。

こりゃ男として辛すぎるわ・・・

彼は不安に苛まれてながらも、ふたりの未来のために精一杯のことをしようとしていたのです。

クリスマスケーキのローソクを赤い灯火を見て、ふと緊張の糸がゆるんでしまったのでしょう・・・。

うぅ、泣けてきた・・・

この歌にチャネルするためのストーリー

今回も『いつかのメリークリスマス』にチャネルするためのショートストーリーを書いてみました。

あらすじは、これまでの3つの解釈にもとづいて、ざっくり次のような流れです。

(ボタンをクリックするとPDF版をダウンロードできます)(※11月23日より配信開始)

こんな人には、ぜひ読んで頂きたいJポップストーリーです。

  • 若い頃の夢や希望を叶えられていない人
  • 別れた彼女に感謝の気持ちを伝えたい人
  • 現状のささやかな幸せを大切にしたい人

メッセージ

人生の荒波に揉まれ、若き日の夢や幸せをついに実現できなかった場合においても、人生は生きるに値する何かです。

なぜなら、人生は過去の点と点を繋げて、一本の線(=道)にする無限の可能性に溢れているからです。

これをお読みのあなたにも、いつしかあなた自身の「メリークリスマス」が到来することを心より願っています。

これからも希望の灯を胸に、創造的に生きていきましょう!

ここまでお読みいただき有り難うございました。

ライナーノート

ArtistB’z(松本孝弘・稲葉浩志)
Lyric稲葉浩志(Koshi Inaba)
Composer松本孝弘(Takahiro Matsumoto)
Original Release 1992年(平成4年)
AlbumFRIENDS
Note・音楽TV番組『COUNT DOWN TV』の「クリスマスに聴きたい歌」アンケートによると、1997年から2006年までの9年間連続1位を獲得している。
・日本レコード協会より着うたフルのゴールド認定(2011年)、プラチナ認定(2012年)を受ける。(Wikipediaによる)