『ラブ・ストーリーは突然に』は、国民的に大ヒットしたTVドラマ「東京ラブストーリー」の主題歌として余りにも有名だ。
今回は、TVドラマのストーリーを離れて、純粋に歌だけにチャネリングすることで、改めてこの歌の持つフォースに圧倒的された。
Jポップの神曲とも言える歌の驚くべき秘密を、サクッとご紹介しよう。
10秒でわかる歌の概要
親友との三角関係の末に彼女にフラれた男が、彼女への断ち切れない想いをなんとか成就させようと、自ら人格的に昇華する決意をしたものの、男としての本音も抑えきれない歌。
ストーリーで理解する歌詞の意味
親友との三角関係の中で揺れていた彼女が、一度は自分(主人公)の方に気持ちが動いたものの、やはり友人と婚約することになったことを人づてに知ることになった。
彼女にはっきり告白しようとしてできなかった最後のデートのことを思って、なぜ彼女と出会ってしまったかのかと自分の運命が悔しくて涙が出てくる。
自分の絶ちきれない思いを何とかしたいと、ついに生涯を賭けてプラトニックな愛に変えようと決意する。
だが、親友と結ばれる彼女の姿が脳裏ちらついて、決意とは裏腹に何とか彼女を自分のものにしたい気持ちが沸々と沸いてくるのであった…。
ーこの歌が生まれて30年の歳月が流れた今のニッポンには、これほどピュアな男はもう存在しない。
歌詞解釈のポイント
主旋律と副旋律による2つのテーマ
主旋律は、歌の主テーマを、副旋律は裏のテーマを歌っていると解釈することで、この歌の深さが分かる。
2つのテーマは、明らかに相反している。風や翼になって導きたい気持ちと、自分の女として独占したい欲望は真逆の心だ。
さらに主旋律には、一期一会のテーマも配置されて、全体としては逆三角形▽の構成。
三角関係を歌ったから、構成まで三角形にした可能性もある。
なんと感動的なメロディ旋律だろう!
4つの時制による立体的構成
この歌の世界観が極めて奥深い理由の一つが、4つの時制が組み合わされている点にある。
主人公は、最後のデートの時には、彼女が親友と結ばれることを既に知っていた。(時制①)
そもそも彼女と出会った時は、三角関係になるずっと前の時点で、今にして思えば運命の出会いだった。(時制②)
三角関係の渦中において、彼女の心が主人公の方に最も傾いた瞬間が追憶のイメージとして歌われている。(時制③)
彼女が親友と婚約することが決定的になった時に、自分は風になり翼になるという決意した時ーこの時、歌が生まれた。(時制④)
ーざっくり分析しても、この歌の歌詞は4つの時制で立体的に構成されている。
まるで設計図に基づいて作られた壮麗な建造物のようではないか?
おすすめの人
- 日本男児の美しい生き方を学びたい人
- Jポップの名曲中の名曲を聴きたい人
- 自分が小さな人間だと苦しんでいる人
- エレキギター一本で歌っている人
UTAZINEのメッセージ
自己の運命を一人の人間に捧げるという生き方なぞ、見向きもされない時代が来ている。
だが、大切な人にそっと寄り添う風になり、その人が人生を羽ばたいてゆく翼になってあげることは、いつの時代も可能なのだ。
人として、より高次な生き方をしてみたいと心の底から思ったら、この歌を何度も聴くが良い。
主人公の流した涙よりも、あなたが生まれ変わるために流す涙の方が果たして多いだろうか…。
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