『木蘭の涙』の泣けるストーリーは元介護女子の憂鬱と恋情だった

スターダスト☆レビュー「木蘭の涙」歌詞の意味

スターダストレビューの『木蘭の涙』を聴いて、なんど泣いたことでしょう。

ひとたび歌がはじまると、感情的なフレーズと抒情的なシーンの2つのブロックが、最後まで私の心を掴んで離しません。

今回は、この歌にチャネルして涙腺崩壊の理由を詳しく整理してみました。

目次

『木蘭の涙』にチャネルした3つの理由

「木蘭の涙」歌詞の意味

私が『木蓮の涙』にチャネルしようとした理由は、次の3つです。

発表されて30年も経つ『木蘭の涙』の歌詞の意味を、現在でも知りたい人がとても多いから。

これは驚くべきことですが、事実です。

私がいつも言っているように、「ニッポンは歌の国。いい歌は永遠に愛され続ける。」ということでしょう。

この歌には、きっと何かある……と思いました。

ボーカリストの根本さんのJPOP史上最も長い(?)18秒間のロングトーンに感動したから。

このJPOP史上最長とも言えるべきロングトーンは、ライブバージョンだけで聴くことができますが、18秒というのは尋常じゃありません。

細い糸がずーーーと続いている極限の歌唱

ほんとうに、胸の奥底に歌声が染み込んで来る感じですよね!!

この歌唱力にやられました。

アマゾン・ミュージック・アンリミテッドに無料登録して、ライブバージョンを聴けたから。

当初リリースされた時の原曲は、切ない内容ではありますが、ノリのいいポップなバラードとして聴いていました。

ところが、アマゾン・ミュージック・アンリミテッドに無料登録した際、にげにライブバージョンを見つけて聴いてしまったんです。

それが運の尽き?でした。。。

ガビィーン!!!

涙腺崩壊……。

な・ん・な・ん・だ、この歌は。

ーということで、もうチャネルするしかない!と思ったワケです、ハイ。

感情移入した3つの歌詞のポイントを徹底分析

この歌にチャネリング(憑依するほどディープに聴くこと)の事前準備をしましょう。

まず、重要な歌詞の意味を論理的に明らかにしておく必要があります。

『木蘭の涙』の歌詞には、チャネリングする上で、3つのポイントがあります。

それぞれを分析しながら、まとめていきます。

(ポイント1)刺すようなストレートな歌詞

あなたは嘘つきだね

『木蘭の涙』(1993,スターダスト☆レビュー)

攻撃的とも言えるほど、ストレート過ぎる歌詞ですよね?

「嘘つき」は非常に多くの歌で使われている人気のキーワードですが、多くは、”嘘つきな僕(私)”と一人称の自嘲系です。

ここまで断定的にハッキリと相手、それも大切な人に投げているって、どういう気持ちなんでしょうか。

(背景A)積年の喪失感から病んでしまった

好きな人から意地悪されたら、作用と反作用のように、好きな人を責めたくなったりしませんか?

「詰(なじ)る」というヤツです。

小学生の頃、好きな子から意地悪なことを言われたら、落ち込むタイプと、逆に反撃したくなるタイプに分かれたりします。

後者の方のタイプは、こんな風に思っています。

意地悪しちゃうわよ!

意地悪しようにももう彼はいない

ですが、すでに彼は息を引き取り、もう意地悪しようにもいないのです。

この喪失感が主人公の心を蝕んでいきます。

責める理由👉愛した人を傷づけることでしか、自分の心をぶつけることが出来ないほど病んでしまった。

だから、胸の中で「嘘つき!」と叫んでしまうんです。

さっそく(1−1)として、まとめてみましょう。

(まとめ1ー1)
年毎に彼がいないことへの辛い気持ちが積み重なり、心が刺々しくなっていく主人公は、最近では彼のことを想って、彼のことを「嘘つき」だと詰るような気持ちになってしまう。

気持ちの整理がつかないまま心が折れていくと、人はこういう心理状態になったりします。

(背景B)楽観主義者だった彼とのギャップ

「嘘つき」だと詰ってしまう理由には、闘病生活を続けていた彼との埋められない気持ちのギャップが影響していました。

自分の退院を公言していた彼

不治の病に冒されていたにもかかわらず、彼にはその事実は告知されていなかった可能性があります。

『木蘭の涙』がリリースされた1993年においては、いわゆる「インフォームド・コンセント」は一般的ではありませんでした。

彼はいい意味で前向きに治療に取り組み、日頃から「きっと退院して二人で一緒に暮らせる日が来る」と主人公の彼女に公言していました。

深まる心の溝

一方で彼女は事実上の婚姻予定者として事実を知らされていました。

事あるごとに、「きっとよくなるから」と彼女に言い続けていた彼と、不治の病であることを知って、彼を支え続けた彼女の心の溝はどんどん深くなって行きました。

これはかなり心理的なストレスが溜まる状況です。

まとめ(1−2)として、追加してみます。

(まとめ1−2)
何も知らされていない彼の楽観論な「退院への希望」の言葉に対して、不治の病である事実を知った上で彼を支え続ける彼女は、徐々に拒絶感を感じるようになり、その心理的なストレスが原因で、亡くなった彼へ非難の気持ちになって現れた。

生前では決して思いを共有できなかったこともあり、溜まりに溜まっていたことは容易に想像できます。

(補足)

ちなみに、私の感性として、男は女に「嘘つきだ」とは言わないと思っています。

よって、この一言で、「あなた」=男、「わたし」=女に決定しました。

(昨今のジェンダーに関わる論議は、すべてこの歌の時代背景を考慮して、想定外にしていることをご了承願います。)

(ポイント2)相反する気持ちの歌詞

悲しみを吹っ切ろうという前向きの気持ちと、大切な人のことが忘れられないという後ろ向きの気持ち葛藤している言葉です。

さよならと言いかけて何度も振り返る

『木蘭の涙』(1993,スターダスト☆レビュー)

ここは歌の意味に深く関わる部分なので、すこし説明させてください。

「さよなら」の理由

(前提)大切な人にはすぐに「さよなら」とは言わない

大切な人を亡くしたら、その人に”さよなら”とは、言いません……。

いや、言えませんよ……。

”さよなら”は、(日本人の感性としては)縁を切る言葉だからです。肉親や恋人、婚姻相手との死別であれば、頭にすら浮かばない言葉です。

まして、亡くなってすぐに口にできるような言葉ではありません。

歌詞の分析👉すぐ「さよなら」は冷たすぎる

ドロドロの愛憎関係にあった二人だとした場合でも、前サビで前面に歌い上げている”逢いたくて”というメッセージと距離感があり過ぎます。

「さよなら」したいほど憎んでいた相手に「逢いたくて」という気持ちはあまりに不自然だからです。

主人公は、なぜ、そして、いつ「さよなら」と言おうとしたのでしょうか?

(答え)疲れた自分の心に「さよなら」を告げた

私は熟考の末、以下のように結論づけて前に進むことにしました。

解釈👉疲れた自分の心に対して「さよなら」を告げた

つまり、主人公は、「あなた」(彼)への想いはひとまず度外視して、自分の気持ちに一区切りをつけ、心理的なストレスから解放されるために「さよなら」を告げたと解釈しました。

このように解釈すると、彼女の行動は90年代の現代女性として筋が通っていて、誰もが納得できるものとして理解(共感)できます。

この解釈を採用すると、この歌のストーリーも見えて来ます。

結論👉「さよなら」を告げたのは、彼が亡くなってしばらく経ってから

ここまでを(2−1)として、まとめてみましょう。

(まとめ2−1)
主人公は、彼が亡くなった後に経験した出来事によって、強いストレスを抱える日々を送っていて、その状況に一区切りがついたので、自分の気持ちを整理する意味で「さよなら」を告げた……。

これで、亡くなった最愛の彼に「さよなら」を告げようとした理由が整理できました。

次、行きます。

何度も振り返った理由

(状況)主人公は前を向こうとしていた

彼女(主人公)は、彼が亡くなった後にも、彼の死に深く関係した事によって強いストレスを抱えた日々を送っていました。

この歌が生まれたのは、その苦しかった状況に「さよなら」を告げようとした時です。

新しい自分ために前を向こうとして、これまでの自分に「さよなら」を告げたのです。

それでは、なぜ過去に未練があるかのように何度も振り返ったのでしょうか。

(答え)逢いたいと囁く声が聞こえたから

答えは、目の前にありました。

『木蘭の涙』は前サビ曲、すなわちサビからはじまるメロディー構成をしていますので、もっとも伝えたいメッセージから始まります。

そうです、一撃でノックアウトされるこの歌詞です。

逢いたくて 逢いたくて この胸のささやきが あなたを探している

『木蘭の涙』(1993,スターダスト☆レビュー)

激しく逢いたいという囁きが、突然、胸の奥から湧き上がったのです。

気持ちを整理して、新しい未来を目指そうとした瞬間に噴き上げた愛惜の感情に、主人公はまたも前を向けなくなってしまったのです。

激しく逢いたいという囁きが、また胸の奥から湧き上がった……。

これから自分の未来を目指すの?

彼との過去を抱えて生きるの?

こんな辛い選択は、とてもできません!

だから、何度も、何度も振り返るしかなかったと言えます。

この歌が最高に伝えたいメッセージが、ここにあります。

人生は選択不能な瞬間がある。そこに、唯一無二の歌が生まれる理由があるのだと思います。

泣けて来ました……。

まとめ(2−2)になります。

(まとめ2−2)
主人公は、彼が亡くなった時に深い悲しみのために前を向けなくなったけれど、なんとか堪え抜いて歩いて来て、あたらしい未来のために前を向こうした瞬間、また愛惜の感情が吹き出して葛藤している。

これで、主人公の屈折した感情が整理できました。

次、行きます。

頑張ってついて来て下さい。

(ポイント3)「あとさき」という難解な言葉

木蘭のつぼみが 開くのを見るたびに あふれだす涙は 夢のあとさきに

『木蘭の涙』(1993,スターダスト☆レビュー)

この歌詞は難解過ぎて、ブログでご説明するのは限界を感じます。

私がチャネリングする時にも、最大の難所でしたが、何度もトライしているうちに、すっきり整理できましたので、結論を先にお話しします。

「あとさき」ってどういう意味?

まず「あとさき」の国語としての意味を、押さえましょう。

〜「あとさき(後先)」の意味〜
❶ 時間・位置における前と後のこと(単純な意味)
❷ 前後の道筋・一貫性(例:後先を考えない行動)
❸ 後と前が逆転すること(後が先になった意味)

国語辞典の最高峰「日本国語大辞典」を出典とした解説をしているコトバンクに基づいて、分かりやすく言い換えました。

この歌では、このうち❶の意味で使われています。

「夢のあとさき」のおける前と後とは?

夢とは、この歌が生まれた90年代の多くのカップルが思い描くような夢です。

ざっくり言えば、ふたりが一つ屋根の下で元気で一緒に暮らすこと。

そこで、「❶ 時間・位置における前と後」という意味を元に解釈すると、ふたりで一緒に暮らすという夢が実現する前と後という意味です。

説明の関係上、まず「後」の方から先からお話しします(※これが「後が先になる」意味のあとさきです笑)

叶えられなかった夢を想って泣く(後で泣く)

主人公は、木蘭のつぼみが開くの見る度に泣くのですから、ふたりの夢(=実際は実現しなかった夢)を想って、後から泣く意味です。

後の意味👉叶えられなかった夢を後になって泣く

過去の辛い離別などを愛惜の情をもって涙することは、人間誰しも経験することだと思います。

叶えられない夢を思って泣く(先に泣く)

主人公は、木蘭のつぼみが開く晩春の候を迎えるたびに、決してふたりの夢は叶えられる事はない現実に涙しました。

なぜなら、彼が不治の病に冒されていたことを知っていたからです。

先の意味👉この先叶えられることのない夢を思って泣く

入院する前にお互い共有していた夢は、もうこれからの先に決して叶えらることはないということを知ってしまったのです。

彼女は決してふたりの夢は叶えられる事はないということを知りながら、彼を支え続けました……。

これが、夢の前で泣くという意味です。

結論👉「夢のあとさきに」とは、夢の後にも、先にも二度泣きしている壮絶な人生経験を、美しく言い表している言葉

なぜ「あとさき」という言葉を使ったのか?

ホントのところは、『木蘭の涙』を作詞をされた山田ひろしさんにお聞きするしかありません。

「後先」という言葉には、字面からやはり「❸ 後と前が逆転すること(後が先になった意味)」というニュアンスを含んでいます。

その意味を踏まえると、今の主人公の涙する気持ちを代弁するとこうなります。

これから自分の人生を目指そうとする前に、すでに破れた夢を抱えていることって、ツライ……。

人間誰しも、「それって、後になってから泣く話なんじゃないの?」というような人生の逆転を抱えてなお、前を向いて生きざるを得ないこともあります……。

後で泣けばいいものを、なんの因果か、すでに抱え込んでしまった人生……。

後先に泣く。

そういう意味です。

ほんとうに、この歌詞の奥深さには涙しますよね。

さぁ、3つ目のポイントを、一つずつまとめてみましょう。

(まとめ3−1)
主人公は、彼が不治の病に冒されていたこと知りながら、病床の彼を支え続けたが、年を重ねるごとに、二人で人生を歩むことはできない未来に絶望して涙を流していた。

(まとめ3−2)
彼が亡くなった後、数年経った今も二人が叶えられなかった夢のことを毎年木蘭の花が咲く頃になると思い出し、辛くて泣いてしまう。

(まとめ3−3)
これから彼がいない新しい自分の人生を切り開いて行こうとしているにもかかわらず、すでに絶望感を抱えている自分の状況に辛い気持ちを拭い去ることができない。

とまれ、これで主人公の涙の意味は、すっきり整理されました。

これで、この歌の重要なテーマが固まりました。

それでは、チェネルする前にストーリーを整理してみましょう。

歌詞の解釈を一気にまとめてみる

これまでの解釈のまとめを、分かりやすく時系列に順番を変えて、おさらいしてみます。


主人公は、彼が不治の病に冒されていたこと知りながら、病床の彼を支え続けたが、年を重ねるごとに、二人で人生を歩むことはできない未来に絶望して涙を流していた。(まとめ3−1)

何も知らされていない彼の楽観論な「退院への希望」の言葉に対して、不治の病である事実を知った上で彼を支え続ける彼女は、徐々に拒絶感を感じるようになり、その心理的なストレスが原因で、亡くなった彼へ非難の気持ちになって現れた。(まとめ1−2)

主人公は、彼が亡くなった後に経験した(ある)出来事によって、強いストレスを抱える日々を送っていて、その状況に一区切りがついたので、自分の気持ちを整理する意味で「さよなら」を告げた……。(まとめ2−1)

主人公は、彼が亡くなった時に深い悲しみのために前を向けなくなったけれど、なんとか堪え抜いて歩いて来て、あたらしい未来のために前を向こうした瞬間、また愛惜の感情が吹き出して葛藤している。(まとめ2−2)

彼が亡くなった後、数年経った今も二人が叶えられなかった夢のことを毎年木蘭の花が咲く頃になると思い出し、辛くて泣いてしまう。(まとめ3−2)

年毎に彼がいないことへの辛い気持ちが積み重なり、心が刺々しくなっていく主人公は、最近では彼のこと「嘘つき」だと詰るような気持ちになってしまう。(まとめ1ー1)

これから彼がいない新しい自分の人生を切り開いて行こうとしているにもかかわらず、すでに絶望感を抱えている自分の状況に辛い気持ちを拭い去ることができない。(まとめ3−3)

❺と❻が、サビのリフレインとして交互に唄われていることがよくわかります。

このように、可視化してみると、この歌詞の素晴らしさが、改めてよく分かります。

❼については、はっきりと歌われていませんので、これは歌い手が歌をどう解釈して歌うか、歌を聴く者がどう受け止めて聴くかによって揺れる部分だと思います。

あえてわかりやすく整理すると、こんな感じです。

ネガティブ👉すでに絶望感を抱えている自分の状況に辛い気持ちを拭い去ることができない

ポジティブ👉彼がいない新しい自分の人生を切り開いて行こう

私がアマゾン・ミュージック・アンリミテッドで見つけたライブ・バージョン(スターダストレビューの公式チャンネルの音源と同じもの)を聴いた時は、前者の印象を受けました。

『木蘭の涙』の当初のリリースでは、アップテンポの曲でしたので、「彼がいない新しい自分の人生を切り開いて行こう」という気持ちが強く感じられます。

あなたは、このJPOP史に残るこのスターダストレビューの名曲を、どう聴かれましたでしょうか。

ここまでお読み頂きまして、有り難うございました。

また歌の中でお会いしましょう!

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