SMAP「さよならの恋人」の切なすぎる歌詞に泣くZINE

ピュアなSMAPのラブバラード。

初期のSMAPはピュア度も尋常じゃない。

あなたも25年前の自分に戻れるかな?

さぁ、ウタジンと一緒に降臨しよう!

―ピュアなZINEが転がり出たよ。

SAMP「さよならの恋人」の主人公たちが、仲良し3人組だった頃、週末になると集まって、ふざながら歩いた思い出のストリート。

うたZINE本編『ある陸上部員のWの悲劇』feat.さよならの恋人(SMAP)

主人公 恭平 の失恋話がスタート!

ボクはゆっくりと歩いた。そう、ゆっくりとしか、歩けなかった。胸に重たい気持ちが居すわっていたから…。

七夕も終わった、ある日曜日の午後。初夏の明るい日射しが、通りに溢れていた。街が、輝いているように見えた。

はじめまして、恭平 です。

今日はボクのへなちょこ失恋話をお話しします。あなたも、こんな失恋を経験したことがあると、いいのだけれど…。

―どんな失恋かって?

恋人も友達も同時に失った

ダブルの悲劇です。

♪1番:コクった後は恋の負け組に

フラれたショックで凡ミスが続出?!

SMAP「さよならの恋人」の主人公の3人組がよく遊んだ通りは、場所によっては、けっこうな深さになる水たまりができた。恭平が足を入れてしまったハート形の水たまりは、思いのほか深かった―。

―あっ!

思わず水たまりに足を入れそうになって、とっさにジャンプした。

歩道のまん中にできた水たまりに気がつかなかったんだ…。

ビシャッ!

―ジャンプ失敗?!ダセー!

部活は陸上部。しかも走り幅跳び。なのに、このザマ。

それほど、ボクの頭の中は、さっきの美香 の言葉で一杯だった。

恭平が思いを寄せる美香の素足サンダル画像。雨の中でも、初夏の装いを意識して、素足にサンダルをでいるところは、オシャレにこだわりを感じる。恭平の表情に普段と違う真剣さを感じて、雨の中で足を揃えて話を聞いた。

水たまりが、ハートの形をしていたことなんか、気がつくわけがないし…。

失敗した過去は変えられないもの

おろしたての白のデッキシューズに泥水がハネたことなんて、どーでもよかった。

(夏休みの前に、絶対カノジョに言う。)

そう決めていた、さっきまでの自分が少し幼く思えた。

アイツの彼女だった。

時計の針を戻すことが出来れば、どんなにいいだろうか。

美香 のこと、…好きだ。

そう言ってしまった自分を消すことはできない。

友達を失うなんて聞いてないよ!

「さよならの恋人」の主人公たちは、仲良し三人組だったが、恭平の告白を境に、3人で会うことはなかった。恭平の恋の告白は、親友を失うという事態にまで発展した。

あぁ、こんなことになるなら、好きになるんじゃなかった…。

先週の日曜日は、三人で映画に行ってはしゃぎながら歩いた街なのに…。あの街がいつもより遠くに見える。

もう三人で一緒に歩けない。

だから、ボクは心に決めた―。

(もう人を好きになることなんか、しない。それなら、こんなことにもならないんだから。)

―ってね。

貝になって生きていけばいいんだろっ!

デッキシューズは底が厚いため、少々の水たまりに踏み込んでも、内部に水が浸入することは少ない。恭平は、この日のためにわざわざ、ブランドの「スペリートップサイダー」を履いて出かけたが、あいにく雨だった。

二度と「好き」なんてことも口にしない。

美香 のことがどんなに好きでも、口にしないよ…。

ボクの気持ちは変わらないけど、キミは遠くに行ってしまった。

さ・よ・な・ら美香

恋人のままで、さ・よ・う・な・ら…。

コクる前は恋の嵐に巻き込まれ

二番ストーリー>

SMAP「さよならの恋人」の最大の謎は、恭平の親友・純の真意である。純と美香はすでに恋仲であったことを思えば、恭平を欺いていたことになる。恭平の前で、美香のウワサ話をした純の真意はどこにあるのだろうか?

男だってジェラシーの嵐だよ

アイツはバスケ部所属の親友の

1年と3年でクラスも一緒で、住んでいるところが、たまたま近くだったから親しくなった。まぁ、入学以来の親友なんだけど…。

よりにもよって、美香 の恋人だったなんて…どうなってるんだ?!

SMAP「さよならの恋人」の歌詞をよく読むと、美香と純が恭平を欺いていたというのは、紛れもない事実だ。歌は、この事実には一言も触れていない。それだけに、この歌は一層切ないものがある…。

アイツが、美香 のことをなにげにウワサしてたことが何回かあったけど、気が気じゃなかったことは確か。

ジェラシーなんて男らしくないって言われるけど、好きな人のことを誰かがウワサするとドキドキするのは、男だって同じさ。

二人だけで映画に行く約束ってナニよ?!

ボクが美香 のこと、好きだって言ったら、キミは、静かにこう言ったっけ。

―…今度純とこの映画、観に行こうって約束したの…。

ジブリの紅の豚。

―えっ?!二人で?

―うん…。ごめんなさい。

そう言って、美香 は前髪をはらりと落として頭を下げた。

ボクは、その「ゴメンナサイ」ですべてを了解した。

―あっ、あ…。そうなの。

―うん、ごめん。恭ちゃん…。

―いや、うん…。面白そうだね。「紅の豚」って…。

映画館で映画を観る際の定番アイテムが、ポップコーンだ。純と美香はビッグサイズをひとつ注文して、仲良くほおばるつもりだったのかも知れない。

―うん、一度劇場でジブリを観たいなって言ってて…。

―いいよ、いや、いんだよ…。

美香 は、俯いて少し肩が震えていた。

―じゃあ、わかった…。うん。オレ、行くね…。

―うん…。

―じゃあ、またな、美香。

―うん…。またね。

―うん、さよなら。

―さよなら、恭ちゃん…。

キミの優しさに気づいて猛ダッシュ

ボクは、まるで自分がしでかした事故現場を離れるように、そっと後ずさりした。なるべく顔だけは、平静を装いながら。

そして、美香 に背中を向けると、ゆっくり歩きだした。背中から彼女の気持ちがボクの中に染み入ってくるようだった。

―街の音が聞こえて来たのは、歩き出して、しばらくしてからだ。

目の前に横断歩道が見えた。信号機を見ると青信号が点滅していた…。

SMAP「さよならの恋人」の歌詞に登場する「ブルーの信号」。なんど歌詞を読み返しても、意味が通らない。そこで、私の貧弱な想像力を駆使して仕立てたのが、本編のストーリーだが、別の解釈をご存じであれば、コメントをお寄せ頂きたい。場合によっては、ストーリーを書き換えるつもりだ。

点滅する信号

(終わった…)

そう思った瞬間、ボクは左右も確認せずに横断歩道に走り込んだ。美香 の言葉が頭の中でリフレインしていた…。

失恋の切なさをパワー変える方法

彼女と別れてから、しばらく何にも考えられなかった…。

通りをどんどん駅まで戻ってき来たところで、ようやく朝からの雨が止んでいることに気がついた。

さっきの出来事が、まるで嘘のように、空には晴れ間が覗いていたけれど、胸の痛みだけは「事実」をしっかり伝えていた。

まずは心理的な状況を整理してみよう

空が晴れると心も晴れる。人間ってそんなものかも知れない。雨の中の告白は悲しい結末となったけれども、青い空がまた新しい自分をつれて来る。

あっ!

目の前の水たまりに気がつかず、足を入れそうになって、とっさにジャンプしたけど…。

ビシャッ!

おろしたての白のデッキシューズに水たまりの水がはねて、薄茶色のシミができてしまった。

(やっぱり、純は美香と前からつきあっていたんだ…。)

胸の痛みの原因を突き止めた小さな達成感から、デッキシューズが汚れてしまったことを許せる自分がいた…。

(今日の自分を許せる日なんて、来るのかな…?)

切なさは優しさの原動力なのか?!

「切ない」って、完全に心が折れている状態ではなくて、折れ曲がって苦しんでいる感覚に近い。つまり、心が折れ曲がった分だけ、心のバネが強くなる。だから、優しくなれる。切ないほど優しくなれるんだ。

仲良し3人組ではなかった。カップル+他1名だったんだ…。そう思うと、切なくなった。

そして、三人で歩いたこの道が、なんだかとっても大切なものに見えてきた…。

グループ復活の予定なし

フラれたこと…彼女が親友の恋人だったこと…二人で映画に行く約束をしていたこと…カップル+1名の関係だったこと…親友とも会えなくなること…。

人生でこれほど悲しいことが一度に起きたことなんか、なかったな。

神様が与えた試練?

恭平は、こんな盛り沢山の悲しいことがいっぺんに自分に起きてしまったことに、なにか不思議な気持ちがした。

(そう言えば、♪切なさはパワーって、スマップが歌ってたな…。)

恭平は、友達から借りたCDで聴いたSMAPの曲の一節を思い出した。

(…ホントにそうなのか?)

失恋したジブンを認めることができる?

挫折や失敗をした自分を肯定することが、最優先事項だ。傷ついた自我に回復への勇気と時間を与えるためには、失敗した自分を優しく認めてやることだ。

美香 が一生懸命に、ゴメンナサイと言った言葉の向こうに、彼女のボクに対する温かい気持ちのようなものを感じる…。

それは、あの告白現場からボクが立ち去る時に、背中で感じた、優しい空気というか…気配のようもの。

背中を通じて、じんわりと伝わって来たものは、そんな彼女の優しさだった。

実は、恭平が現場から立ち去ろうと背中を向けて歩きだ出した時、思わず美香は彼の後を追いかけようと足を動かしている。そして、そのままの姿勢で去って行く彼の後ろ姿を見送ったのだ。この気持ちの揺れが、雨の中を恭平のカラダに伝わったと考えられる。

(自分は、一方的に美香にフラれたんじゃない…)

何度も自分に言い聞かせているうちに、美香 が自分の横にいて、一緒に歩いているような気がした。

(そうよ、恭平は何にも間違ってなんかないし、私のことを好きになってくれたのは、ほんと嬉しかったし…。)

―そんな言葉が聞こえた。

自分を認めてあげる

その瞬間、思わず大粒の涙が噴いて出るように流れだした。ボクは思わず顔を下げて、歩みを早めた。

恋のライバルさへ認められる大きな心になれたかも知れない

涙目の向こうに、輝く新緑の街並みが広がっていた。

そして、 のことを思った…。

(純、もう会えないかもしれないけど…。純、ありがとう…。)

―恭平、ゴメン…。

頭の中の がぶっきらぼうに答えた。

―いいよ。元気で…。

背の高いの横で、美香 が寄り添うようにして、ボクを見ていた…。微かにほほ笑みを浮かべながら…。

恭平は二人に向かって、呟いた。

さようなら…美香。それから、純も。

そして、持ち歩いているアドレス帳から二人のページをちぎって、道に投げ捨てた。

うたZINE『ある陸上部員のWの悲劇』feat.さよならの恋人(SMAP)

(終)

うたZINE解説

年代設定➡1992年(平成4年)

舞台➡県立高校に通う男2人女1人の3人組

歌の主人公たち

恭平(主人公):へなちょこ陸上部員

物語の主人公。陸上部に所属。種目は走り幅跳びと三段跳び。親友の純とは違い、地味な競技であることを少し気にしている。3人組の女子メンバー・美香に秘かに恋心を抱いている。

美香(女子):一見メンバーの花

ブラスバンド部所属で、フルート担当。陸上部やバスケ部の応援をきっかけに恭平や純たちと知り合う。優しい性格だが、夏は本革のサンダルを愛用するなど、おしゃれには人一倍敏感なところも。

純:バスケ部所属のモテ系男子

恭平とは、通学沿線が同じで、1年2年と同じクラスであるため、親友のつき合いをしている。2年の3学期から美香を意識するようになった。恭平には黙っているが、内心は後ろめたいところも感じている。

仲良し3人組も一皮むけばビミョーな人間関係

部活の練習がない日は、通学沿線の乗換駅の近くのオシャレな街に集まっては、クレープを食べたり、CDショップで新譜をチェックしたりして、楽しい高校生活を送っていた3人だったが、3年生の夏場あたりから、ビミョーにギクシャクしてくる。

親友の恋人とは露知らずにコクった事件

この物語は、主人公の恭平が、仲良し3人組のメンバーである美香と純がつき合っていたことを知らなかったところがポイントだ。美香がどちらを選択しても、仲良しグループは崩壊する痛い構図だ。

切なさをパワーに変える考え方と方法とは

切なさは、神様があなたに贈った心のストレッチ。頑張ってストレッチすれば、あなたの心は、強く、しなやかに生まれ変わるはずだ。まずは、状況を整理することに集中して、次の行動を見極めよう。

うたZINE概要

SMAPのデビューアルバム「SMAP 001」収録の名曲「さよならの恋人」をフューチャー。歌の主人公は、県立高校に通う男女仲良し3人組。最後の夏休みを控えた7月に起きた、切ない恋の事件簿を紐解く爽やかな作品。

降臨後記

最初の曲の印象は、軽い感じで聴ける爽やか系バラードだが、じっくり聞き込むにつれ、その印象とは裏腹に、なかなかシリアスな恋愛ドラマが浮かび上がって来る。

実際、恭平の立場であれば、仲良し3人組の他の2人だけの秘密に近い関係を、自分の告白のタイミングで知らされるという、カウンターパンチ級の衝撃を受けることになるだろう。

若い心には相当辛いものがあったことだろうと偲ばれ、涙せずにはいられない。聴けば聴くほど、切なさが募る一曲である。

ここまでお読みいただきありがとうございます。また歌の世界でお会いしましょう。