修羅場5分前。
金曜日の夕方。人影のないオフィスに残された二人。ドロ沼必至のアラフォー浮気カップルの誕生まで、あと5分…。
竹内まりや「カムフラージュ」(1998)の歌詞には、そんな危ないシーンが見事にカムフラージュされて書かれています。
実は、もっと凄い真実が隠されていたことに気がついたのは、ちょうど203回目のリピを聴いていた時。
もしかして、神曲?!
計算され尽くした名曲中の名曲「カムフラージュ」のドロドロすぎて、深すぎて!ってお話しです。
目次
「カムフラージュ」の表のテーマは浮気の成就
竹内まりやさんと言えば、上品な大人の女性のイメージ。女性からも大人気です。
そんな彼女の、おん年43歳の時の大ヒット曲が、この「カムフラージュ」(1998)です。
口当たりバツグンのメロディーラインを、さり気なく歌ってます♪
ですが、歌詞をストレートに聴いてみると、この歌ドロドロの浮気ソングです、ハイ。
(正確に言うと)
浮気成立5分前。
事もあろうに、最愛の旦那様・山下達郎さんの重厚なコーラスではじまります。
タツローさん、いいんでしょうか?!
竹内まりや「カムフラージュ」の浮気疑惑を徹底追及
「カムフラージュ」の歌詞の表のテーマは、シンプルに要約すれば、「浮気の成就」です。
これだけは、100年経っても変わらないので、ハッキリと言っておきます。(別に浮気を否定も肯定もしておりませんので、悪しからず。)
さぁ、竹内まりやの「カムフラージュ」の浮気疑惑を徹底追及していきましょう!
恋のはじまりはデジャヴ。
デジャヴ(既視感)をおぼえる相手というのは、異性・同性を問わず、人生において数えるほどしかありません。
それが異性であれば、それだけで立派な恋の条件が成立します。
この歌の女性主人公を、校正のアルバイトをしている、マナミ(43歳)としましょう。
彼女もまた、転職先の職場の同僚 テツヤ(45歳)を一目見た瞬間、琴線が微かに揺れたのです。
どこかで出会った感じがする
既視感をおぼえる相手というのは、長い時間一緒にいると強烈な親近感を感じるようになります。
それが異性との間であれば、恋愛感情にまで発展するのは、時間の問題です。
既視感からめばえた感情は、やがて絶対に消えることのない心の灯になるものです。
不思議ですね。
花金は恋の予感
この日は、花金。
オフィスも、心なしか浮ついた雰囲気があります。
マナミ と テツヤ は、たまたま今週に限って、とあるクライアントをペアで担当することに。
本日最後の大仕事である最終原稿の再チェックも、ようやく終わろうとしていました。
定時の17時を一時間以上も過ぎていましたが、マナミ の胸は激しくトキめいていました。
テツヤ と二人っきりになれたという、ちょっと想定外のウレシイ状況で頭の中は一杯だったからです。
何かが起こりそうな予感
マナミ は、まるでラブソングの歌詞に出てくるようなシチュエーションに、なにかめぐり合わせのようなものを感じました。
(神様からのギフト?!)
オフィスの窓からは、花金の街のにぎわいが遠く聞こえてきます。
このまま二人っきりの時間で、週末になだれ込むことができるなんて!
ハッピーすぎるぅぅー!
そう思うのは、当然ではないでしょうか。
ラブソングのようなシチュですが、なにか。
1998年というと、セクハラ問題で、あらゆる職場において、それまでの自由(過ぎる?)男女の触れ合いは、タブー視されるようになっていました。
職場内のセクハラ防止を訴えるポスターが、中堅出版社に勤める彼女のオフィスにもベタベタと張られていました。
もともと優しい テツヤ とでしたが、当時の風潮もあって、マナミ にも、それらしい言葉は一切口にすることはありませんでした。
(まぁ、酒席では少しくだけた口調で冗談を言うことはありましたが。)
でも、彼女は何か違うものを感じていました。彼のふとした仕草から、特別なものを感じることが多かったからです。
私を意識してる?
ドラマの幕開け
二人のドラマはこんなふうにはじまりました。
ーうーん、やっと終わったよ!
テツヤ が腕を振り上げて、背中を思いっきり伸ばした。思わずあくびが出た。
通路をはさんで背中に座っていた マナミ は、真っ赤に朱書きされたゲラ刷りを片付けていたところだった。
おかわりって
頼んでもいいかな?
くるりと椅子を回転させて、彼女にこう声をかけた。
ちょっと何が起こったのか、わからなかったマナミに、テツヤはもう一度、言った。
一回ぐらい、いいだろう?
少し笑いながら、コーヒーカップを差し出した彼のセーターから、微かにタバコの香りがした。
恋の成就には強引さも必要?
「カムフラージュ」の発売当時の1998年頃は、職場で男性が女性に「お茶汲み」を頼むのはタブーに近いお願いだった。
自分が飲んでいるコーヒーのお代わりなんてのも、下手をすればセクハラ扱いされるという認識が、少しずつ広まっていました。
(もちろん、職場によってかなりバラつきはありましたが。)
ーですが、この時の マナミ は違いました。
弾かれたように席を立って、コーヒーカップを受取ろうとしました。
その瞬間、勢い余って思わず彼の手に触れてしまいます・・・!
目と目が合って指が触れた。。。
ここからが「カムフラージュ」のサビの始まりまですね。
いつもの優しいだけの彼では、もう我慢できないほど気持ちが高ぶってしまいます。
一線を越えたいッ!
はぁー、待ちきれない気持ちも分かるんですが。
恋の勝ち組は肉食系女子
マナミ さ~ん!
オフィスの中ですよ!
もう彼女の耳には聞こえなくなってしまったようです。
今でいう”肉食系女子”モードにスイッチ入ったかぁ?!
マナミ はデスクに片手をついて身体をささえながら、押し殺すように告白したわけです。
(ずっと前から意識してた)(/ω\)
ちなみに、ライブの映像を拝見すると、竹内まりやさん自身も、ここは全身全霊のパワーをかけて歌っていますね♪
~ワンポイントレッスン~ この歌詞の順番に注意! ①唇を奪われる(身体) ②告白する(言葉) つまり、①身体⇒②言葉という順序になっていることを心に留めておいてください。 |
一気に恋人ワールドへ突入!
ここまで来れば、もう恋人ワールドの完成です。何があろうと怖くない。
「あなたがいれば、ワタシ何も怖くない」の世界ですね。
一目見た時から一年以上も胸の奥に積もっていた感情に、全身つつまれてしまいます。
過去の自分を一瞬で否定すると同時に、新しい自分に生まれ変わる変わり身の早さにも注意しておいてください。
(欺いてきたワタシを許してね)
マナミ も唇を奪われて、思いのたけをぶちまけたことをきっかけに、一皮むける決意をしたようです。
今の恋人はポイしますからッ
昨日までのジブンも恋人も捨てる決意が宣言されている点に注目してください。
新しいジブンになるわ
マナミ の自分探しの旅は、浮気相手との恋の成就によって、ようやく終わりになったのでしょうか。
でも、今は週末の金曜日。
マナミ も テツヤ も、現在のステディとのデートの約束ぐらいはしているはず。
ひょっとしたら、おたがい待ち合わせ時刻が迫ってきているかも知れません。5分後には・・・
泥沼の浮気カップル
という状況です。
最高に口当たりのいいメロディーのバラードも、最後は、不都合な真実となるしかないのでしょうか?
本当のテーマは浮気ではない
歌があらゆる人間の活動を映す鏡である以上、浮気や不倫を(否定的であるかどうかは別として)テーマとするのは、避けることはできません。
ですが、「カムフラージュ」が本当に伝えたいテーマは、「浮気」とは少し違うような気がするのです。
私が、そのように思った3つの理由をズバリ言います。
(理由1)この歌は美しすぎる
アルバムでも、ライブ映像でも、一度この歌を聴いた方は、メロディ、テンポ、そして編曲のそれぞれが心地よく身体に沁みとおって来るのを実感するはずです。
さらに、この3つの要素がバランスよく一体化しており、全体として完成度の高い歌であることも、すぐに感じてもらえるはずです。
三位一体の美しい歌
全体が一つの歌として美しいという、名曲の条件を満たしているワケです。
(理由2)この歌はひたむき過ぎる
竹内まりやさんが心をこめて歌っているからという理由ではなく(もちろん、これはこれで素晴らしいことなのですが)、この歌の歌詞の構成に秘密があります。
ゴールに向かって直進する歌
ひと言でいえば、こうなります。歌詞が、ある目標に向かって道を突き進んでいるような意味内容になっているワケです。
この歌には、寄り道をしないで、ただひたすら歩き続ける人の姿があり、心を打たれるのです。
(理由3)この歌は曖昧すぎる
最近の、特に戦後の歌謡曲やJ-POPに顕著に見られる傾向は、「物事をぼかして言わない」「結論をハッキリ言う」というもの。
一つ一つの言葉ではありません。姿勢とか方向性の問題として、あいまいさは好まれない傾向がありますが、「カムフラージュ」は違います。
墨絵のような余韻で終わる
エンディングに近づくほど、その印象は強くなり、最後はぼんやりとしたグラデーションのような終わり方…
心地良いもどかしさが、後味のように残る不思議な歌なのです。
私はどうしても「カムフラージュ」の歌詞の秘密を突き止めたい衝動が抑えられなくなりました。
「カムフラージュ」の歌詞の3つの秘密
この歌の歌詞には、特徴的な3つの秘密があります。
順を追ってご説明しましょう。
(秘密1)シンデレラが目覚める
マナミ が勢い余って思わず彼の手に触れた瞬間を覚えていますか?
思い続けてきた異性と身体的な接触をした瞬間から、一気に世界が変わるという仕掛け。
理想の男性がやって来て、口づけを交わすと眠りから覚めるってストーリーって…?
シンデレラです!
まぁ、女性って幾つになっても、そういうものですが、この歌のストーリーの軸になっているのは、やはり特徴的と言えます。
(秘密2)歌詞がリフレインしない
「カムフラージュ」は、リフレインする歌詞の部分が全く存在しないことに、お気づきでしょうか?
エンディングまで一直線!
多くの歌のように、強調したいキーワード(歌詞)とメロディをリピートさせていないのです。
つまり、自由詩のような文学性の高い歌なんですね。
文学性の高い歌
「カムフラージュ」の歌詞を何度も読み返してみると、(私見ですが)作詞された竹内まりやさんは、まず自由詩として創作して、それにメロディをつける形で曲を作った感じがします。
(秘密3)英語で隠された結末
この歌の最も重要な結末が、最後にたった一行の英語で書かれていることに気がついていますか?
デジャヴからはじまった恋が、奇跡的なシチュエーションによって成就するまでの一連のストーリーが、この「カムフラージュ」の歌の世界。
もっと、達成感をハッキリと打ち出してもいいと思いませんか?
奥ゆかしすぎる終わり方
大切な結末が、たった一行の英語で(正確には前にもう一行あります)最後に置かれているため、全然ハッピーな感じは伝わりません。
これは、意図的に結末の印象を薄くしていると思えます。恋の成就そのものは、まったくの脇役だと考えた方が、自然です。
恋の成就はメインテーマじゃない
歌詞を何度も読み返すうちに、そんなふうに思えてきたのです。
「カムフラージュ」に隠されたメッセージ
これまで見てきたことを、おさらいしてみましょう。
- 楽曲としての完成度の高さ
- アーティストの真摯な姿
- 特徴的な歌詞の内容
これらを、総合的に(=全身全霊で)受け止めてみるとどうなるか?
人生を導く歌である
男女間の恋愛から出発して、もっと別次元の世界に聴く者を導いていると表現した方がしっくりします。
恋愛関係は、最初のキッカケに過ぎません。
もっと重要なメッセージは、こちら↓
人生に対する気づきを与える
聴く者のハートをとらえて、最後のエンディングまで一気に導くような曲の構成も、リフレインが一切ない自由詩のような歌詞も、この目的のため。
まさしく人を覚醒させる歌だと断言していいと思います。
(結論)この歌の究極のメッセージ
気づきの具体的な内容としては、「自分らしさ」を軸にする生き方ということになりそうです。
- 自分の心に素直に従い、決してブレない。
- 自他ともに偽るような生き方を捨てる。
- 素の本気で勝負する人生を選択する。
言い方は様々あると思います。
ひと言で言えば、これ。
カムフラージュしない生き方
「カムフラージュ」というタイトル自体を否定するテーマを提起しているワケです。
まさに、ちゃぶ台を最後にひっくり返すような、どんでん返し!
「カムフラージュ」というタイトルは、本当によく計算されれていると言わざるを得ません。
(まとめ)「カムフラージュ」の真実
(ホントはこんな歌)
- 何回聴いてもどんな状況でも飽きの来ない歌であること(名曲中の名曲の条件)を完全に満足している歌。
- 赤裸々な感情の奥には人間としての普遍的な真実があることを具体的に描き出した歌。
- 現実から理想の世界へ階段を登ろうとする人に捧げられた讃美歌のような歌。
(蛇足:ハンカチが必要な理由)
この3つの点を理解した上で聴き直すと、涙が出て止まらない体験ができる。
(こんな人に聴いてほしい)
- 自分に自信が持てない時
- 人間関係で選択に迫られている
- 現在の恋人や配偶者との関係に悩んでいる
- 目指している目標に近づけずに苦しんでいる
竹内まりや「カムフラージュ」の詳細情報
発表年月 | 1998年11月(平成10年) |
作詞 | 竹内まりや |
作曲 | 竹内まりや |
編曲 | 山下達郎 |
受賞等 | – |
収録シングル | カムフラージュ/Winter Lovers
(両面A面)(1998) |
収録アルバム | Bon Appetit!(2001)
※通算9枚目のオリジナルアルバム |
Expressions(2008)
※通算3枚目ベストアルバム |
|
入手方法 | アマゾンより入手可能 |
ここまでお読みいただきまして、有り難うございました。
コメント
前世があるっていう視点から、もう一回考えてみた方が良いとは思います。
スピリチュアル、ソウル的な観点から見ると、また違う良さが見えてくる歌ですね。
オクタダさん
管理人のウタジンです。
コメント有り難うございます!
歌詞の上での浮気ストーリーの奥に、「自分らしさ」への強い渇望を感じます。
まさに、オクタダさんのご指摘の通り、スピリチュアルでソウルな歌だと思ってマス。
山下達郎の歌にもソウルな歌がありますので、機会あればぜひお話ししたいです。
今年の秋から来年にかけまして、当サイトは、大きく生まれ変わります。またお会いできることを楽しみしております!
まとめ、最高でした!!!
ぐぅの音も出ないほど納得です☆
スピリチュアル な観点から言うと、これはツインレイの歌だと確信しました。
ツインレイとはひとつの魂を2つに分けた、言わば魂の伴侶です。
この世のひとりひとりにツインレイは居ます。
基本的に男と女です。
神様が用意した真実の愛し合う相手です。
本当に最後の相手です。
多くのツインレイは既婚者になってから巡り逢います。
多くのツインレイは幸せのゴールに向かってひたすらひたむきに我慢したり努力します。
自分の片割れに巡り逢うと偽りの自分を捨てて、本当の自分を好きになるのです。
まさにカムフラージュした人生をやめるのです!
目や雰囲気が自分そっくりで、抑えられないほどの愛し合いたい気持ちが湧き出るのです。
純粋な男女の愛からは莫大な性エネルギーが生まれます。男ツインが女ツインを想ってエロい事を考えるだけで、女ツインの性器が勝手に動くという謎の現象(クンダリーニ )が巻き起こります。
触れ合えば、これまでの歴代の偽りの相手とのソレがいかにちっぽけなものだったか考えさせられます。
純粋な性エネルギーは強い光を放ちこの世を浄化します。そしてますますクリエイティブになり才能を発揮し、万人に愛を与えられるようになります。
竹内まりやさんはもう霊的な成長を十分されて、魂の伴侶に巡り逢ったのでしょう。
私は中学の時、この歌が大好きで大好きでずっとドキドキして聴いてました。
未来の自分にドキドキしてたんですね。
本当にこの歌の通りになっちゃいました。
胸がギューってなる美しい歌です。
俗世間の浮気に対するイメージを払拭するかもしれない神々しさがあります。
結婚なんて人間が決めたルールですからね。
愛し合うことを止めればこの世は終わります。
サビに入る時のドンドンドンドンドンドン♪が最高にドキドキして大好きです!
ツインレイ には試練が多く挫けそうになりますが、全世界のツイン達の応援ソングにもってこいな一曲です。
みんな幸せになぁれさん
含蓄あるコメントを頂きまして、有り難うございます。
ツインレイのカップルが一組でも多く世の中に誕生すると良いですね。
またのお越しをお待ち申し上げます。